サイバーエージェントを調査|決算・オフィス移転




IT企業として今や知らない人がいないくらいにまで成長をしたサイバーエージェントですが、2018年度の決算はどれくらいだったのでしょうか。今回の調査ではサイバーエージェントの決算資料を元にサイバーエージェントを紐解いていきたいと思います。

サイバーエージェント2017年10月~12月決算報告

サイバーエージェントを理解する為には、サイバーエージェント内にどのような事業部が存在しているのか、事業部単位で確認する必要があります。サイバーエージェントはIT企業という大きなくくりの中で何をやっているのでしょうか。まずはその3部門について確認をしていきましょう。

① メディア事業
② 広告事業
③ ゲーム事業

上記の通り、基本的には3つの事業体からサイバーエージェントは成り立っており、世間を賑わせている「アベマTV」などは①であるメディア事業に所属をしています。ではそれぞれについてどのような業績だったのでしょうか。決算情報から紐解いていきましょう。

サイバーエージェント全体業績

売上高 :979億円
前年比 :13.1%増
営業利益:82億円

サイバーエージェントメディア事業

売上高 :73億円
前年比 :24.5%増
営業利益:-32億円

サイバーエージェント広告事業

売上高 :572億円
前年比 :17.4%増
営業利益:54億円

サイバーエージェントゲーム事業

売上高 :337億円
前年比 :2.7%増
営業利益:56億円

このように全体的な事業で見ると②の広告事業が非常に大きな売上を持っており、前年と比較すると大きな成長をしている事がわかります。しかしながら、③のゲーム事業については売上高も成長率も広告事業には及ばないものの、営業利益ベースで見ると広告事業よりも利益を創出している事が見えてきます。この点については大きなポイントではないでしょうか。

広告事業の営業利益率は9.4%であるのに対して、ゲーム事業の営業利益率は16.6%もあります。その差としては7.2%もの差が開いており、ゲーム事業のビジネスモデルは非常に優秀である事が伺えます。もちろん、本来であれば他社比較をして初めて市場で優れているのかどうかが見えてくるものですが、今回は割愛します。

また、アベマTVなどで話題になっているメディア事業ですが、ここについては大きなマイナスを起こしています。その事からも話題にはなっていますが、まだ投資フェーズというところでしょうか。

2018年のサイバーエージェントについて

2018年のサイバーエージェントについては売上高「4,200億円」、営業利益「300億円」を予定しているようです。実際に第一クオーターで1/4以上の営業利益を達成している事からも、実現可能な範囲に企業業績がいることを表しています。

また、アベマTVなどについては投資時期との認識を持っており、この投資時期をいかに効率よく業務として定着する為に進行していくかが重要になるのではないでしょうか。

また、広告事業、ゲーム事業で利益を確実に積み上げ、将来的なビジネスの柱としてゲーム事業を育てている事がよくわかります。サイバーエージェントらしい投資方法ではないでしょうか。

2019年のオフィス移転について

サイバーエージェントから本日4月4日にオフィスの移転が発表されました。

現在サイバーエージェントは渋谷を中心として10 箇所に分散して従業員が配置されています。それを東京・渋谷のオフィスを2019 年に2 箇所のビルへ集約するようで、その目的としてはより一層の業務の効率化を図るためとの事で本日リリースが出ています。
移転先は、東京都渋谷区宇田川町に竣工予定の複合ビル「Abema Towers(読み:アベマタワーズ)」にメディア事業、ゲーム事業、本社機能が入居し、東京都渋谷区渋谷に竣工予定の「渋谷スクランブルスクエア」に広告事業が入居する予定となっているようです。