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L物流株式会社について
L物流の事業内容については「貨物自動車運送事業」、「仕分け作業納品代行業務」、「省エネルギー装置の製造・販売業務」、等の物流に関する業務を行っている企業となります。物流というと何かしらのモノを運ぶ仕事として捉えられていますが、どのようなところに特徴を持っている会社となるのか、L物流について今回の記事で説明します。
まず、企業として取り組んでいる事としては「L物流」という社名にも記載がある通り、物流の仕事をメインに対応している企業となります。軸になっているのは物流事業ですが、その事業の経験を活かし、仕分け作業納品代行や省エネルギー装置の製造・販売業務も対応しています。
多くの人にとって物流業務は何となくのイメージが湧くとは思うのですが、実際に何をやっているのか、どのようなところに特色があるのか、またL物流としては何を差別化のポイントとして持っているのか、その点について調べてみようと思います。
L物流のビジネスが求められる理由
今や日本のEC化率は非常に高い水準にまで来ています。まず、EC化率とはなんでしょうか。こちらについてイメージがつきにくいかもしれませんので、経済産業省のデータから2017年のBtoCアパレル産業(衣服・服装雑貨等)の例で説明してみることにします。
まず、アパレル産業のネットとリアル(実店舗)を含めた全商取引は、14兆2582億円となっています。そのうちECサイトなどの電子取引されているものが、1兆6454億円です。ですからアパレル産業のEC化率は単純な割り算などをしてもらうと算出ができるのですが、11.54%と言えます。
【アパレル産業を例にとったEC化率の計算式】
1兆6454億円(EC取引総額) ÷ 14兆2582億円(全商取引総額)= 11.54%(EC化率)
これだけの金額がインターネット上でのオンライン取引が生まれています。しかもアパレル産業だけの数字となります。ここに付随するのは一体なんでしょうか。そうです、この商品を配送する「物流」の仕事が必ずや関わってきます。それだけ私たちの日常に物流のサービスが溶け込んでいるのではないでしょうか。
L物流の事業内容とL物流のターゲット
様々な場所に届けることが対象となる物流サービスですが、L物流はどのような場所に何を届けているのでしょうか。単純に物流といっても取り扱う商品は様々です。L物流がメインとして行なっている事業は、コンビニエンスストアへ納める商品の仕分け作業と配送になります。個人宅に届ける物流が一番イメージしやすいかもしれませんが、L物流では、コンビニエンスストアへ納める事業を軸にビジネスを展開しています。他には、ドラッグストアに納めるチルド商品の仕分け、配送も行っています。この点からわかるのはチルド商品への対応ができる、そして得意にしているからこそ出来るということではないでしょうか。また、各拠点間の幹線配送を行っています。念のため補足しますと、幹線輸送とは、ある輸送拠点にそのエリアの荷物を大量に集め、その拠点から別の拠点に、大量輸送機関で運ぶことをさしています。もちろん、大量輸送機関で運ぶことによりコストの削減を狙っているということが挙げられます。
L物流は基本的にルート配送ですので、固定した運行となります。その中で、仕分け作業、配送業務ともに手順の標準化やシステム化を進め、統一しています。顧客としては、商材の受注と発注をコントロールする企業や、お店をご利用される地域社会のお客様となります。
L物流の貨物自動車運送事業
【大手コンビニエンスストア店舗配送業務】
商品を保管する物流センターから三温帯(フローズン・チルド・ドライ)に対応したトラックでカバーするエリアへの店舗配送業務を行っています。
【幹線輸送業務】
メーカーや倉庫会社様の拠点を結ぶ幹線輸送を三温帯(フローズン・チルド・ドライ)に対応したトラックで対応。10tクラスでも三温帯の商品を一括輸送が可能です。
【スポット輸送業務】
緊急のスポット輸送にも柔軟に対応可能な体制を整えています。
仕分け作業納品代行業務
店舗毎への商品の仕分け、ピッキング、梱包作業など、物流に関わる代行業務。
【省エネルギー装置の製造・販売業務】
自社開発の直結型冷凍機付きトラック専用アイドリングストップシステム「エア・エコ・システム(AES)III」の製造・販売業務を行っています。設定した庫内温度センサーとアイドリングストップシステムを連動させ、燃料費を削減するシステムです。
[特許番号:5390291号]
L物流の営業エリア
L物流では、中国・山陰地方をメインエリアに九州・福岡から四国、名古屋までを営業エリアとして、食料品輸送を中心とした各種サービスを展開しています。物流サービスにはよくあることなのですが、営業エリアを絞ることによって高品質なサービスを提供することを狙っています。全国にまでその物流網を広げてしまうと、結果としてお客様に満足を得ることができない、適切なサービスが提供できないなどの問題が立ち上がります。だからこそ、自分たちのサービスを最大限発揮することが出来るエリアを設定することが一般的となっています。

L物流が保有している車両設備
【保有車両設備】
L物流は各拠点合わせて211台(2018年5月現在)の車両を保有しています。お客様のニーズに対応する三温帯輸送トラック をはじめ、サイズは2t、3t、4t、7t、10t車をご用意しているようです。保有している車両がサービスに直結しているため、211台という台数は非常に多い数なのではないでしょうか。きちんと台数を用意しているからこそ、最適なサービスをご提供させていただきます。
2t:1台
3t:102台(三温帯トラック 102台)
4t: 82台(三温帯トラック 74台・ドライ 8台)
7t:1台(ドライ 1台)
10t:25台(三温帯トラック 22台・ドライ 3台)
L物流の環境と安全への取り組み
物流業務と聞いてイメージするのは、環境問題への取り組みと安全への取り組みをどのようにして対応しているかという点ではないでしょうか。特にテレビのニュースなどを見ていると、安全への取り組みは年々企業として求められる内容になって来ているように思います。編集部としてもどのように企業がこの点について取り組んでいるのか、非常に興味深い箇所となります。
- デジタコ全車両配備(2015年10月より順次)
デジタルタコメーターを全車両へ配備。法律を遵守し、ムリやムダのない安全な運行管理を行い、燃料のロスを減らし環境負荷の低減を目指します。編集部 デジタコを入れるとどんなメリットがあるか知ってる?業界の人は知っているかも知れないけどあまりわからないよね!編集部 そうだね。デジタコを導入するとどんなことが安全・安心に繋がるのかちょっと教えるね。実はデジタコを入れるとドライバーがどんな運転をしているのか、管理している本部で知ることが出来るんだ。だから、「運転中に違反運転を警告」できたり、「帰庫後に正確な運転指導」に繋がるので安心になるんだよね。編集部 なるほどそんなメリットがあるんだね。デジタルにすると他にもいろんなことができそうだね。 - GPSによるリアルタイム管理
GPSによるリアルタイムの位置管理で、顧客サービスの向上や効率的な運行管理を行います。 - バックアイ・ドライブレコーダー
保有車両のほぼ100%にバックアイカメラ・ドライブレコーダーを装備。
安全に関わる設備を積極的に導入してまいります。。 - 三温帯輸送トラック配備
三温帯(フローズン・チルド・ドライ)に対応した各サイズのトラックを配備。 一括輸送による効率的な配送により顧客サービスの向上と環境負荷低減に努めています。 - エア・エコ・システムによる燃料費削減と環境負荷の低減
自社開発の直結型冷凍機付きトラック専用アイドリングストップシステム「エア・エコ・システム(AES)III」により、ムダな燃料消費を減らし、CO2を削減します。 - 安全と品質への高い意識を醸成する職場環境つくり
5S(「整理」「整頓」「清掃」「清潔」「躾」)の徹底によりムダ、ムラ、
ムリの排除を図っています。
またコンプライアンス遵守や安全と品質への高い意識を醸成する職場風土
作りのための社内情報共有や点検マニュアルの作製などを推進しています。
このようにL物流の安全や環境への取り組みを見てみると積極的な設備投資を行なっていることが見えて来ました。実際に設備によってビジネスを成り立たせているので、手動の取り組みには限界があるのだと思います。しかしながら、設備に投資をするには大きなコストがかかることは必然です。このコストを嫌がり昔ながらの管理をしている企業がいる中で、当たり前のように設備に投資をし、環境や安全への取り組みが出来る企業は優秀なのではないでしょうか。
L物流の経営理念・経営方針・行動方針
【経営理念】
全社員の物心両面での幸福、全てのお客様、協力者様との相互繁栄を追求し、事業を通じた恒久的な地域社会への貢献を行います。
経営理念は企業としてのあり方ですので、良いことが書かれているのは当たり前ではあります。しかしながら、思っていない事は書けないですし、従業員や取引先を含め多くの方がこの文字に目を通すことになります。だからこそ、実現したいことが書かれているのではないでしょうか。そういう意味でいうと、L物流としては取引先やお客様だけでなく、全社員の幸福を目指しているというところに、人を宝として扱っている、扱いたい気持ちがあると見えてくるのではないでしょうか。
【経営方針】
1、お客様第一主義(最適の追求)
環境の変化に応じた最適を追求する為に、徹底した改善取組を行っていく。
1、職場環境つくりの徹底
5Sの徹底によるムダ、ムラ、ムリの排除を図る。
コンプライアンスの遵守
良き環境に良き人材が育つ
1、全ての人材を人財へ育成
人の集団が組織されたものが会社である。人材育成の上に、会社の成長、存続はある。
人材育成として、第一に、正しい行動、その基盤の上に業務知識を身につけさせていく。
【行動方針】
1、 気持ちの良い挨拶を心掛けよう
2、 清潔な身だしなみを心掛けよう
3、 率先したすばやい行動を心掛けよう
4、 相手を思いやる行動を心掛けよう
5、 情熱をもって全力で仕事に取り組もう
6、 ムダを発見し改善を心掛けよう
7、 物事は善悪で判断し行動しよう
8、 規則に従った行動をしよう
9、 人の和を大切にしよう
10、私生活の充実を心掛けよう
L物流株式会社の会社概要
会社名 | L物流株式会社 |
---|---|
設立 | 平成15年4月 |
資本金 | 1500万円 |
代表者 | 代表取締役社長 久保徳明 |
従業員数 | 500名(うち女性102名) |
売上高 | 31億3500万円(平成29年3月期) |
車両台数 | 222台 |
まとめ
L物流について編集部として様々な角度から紹介を進めて来ましたが、やはり物流という業界の中で良質な仕事を提供するための差別化ポイントが多く見受けられたのではないでしょうか。その一つが安全や環境への取り組みとして多くお設備投資を実施している点ではないでしょうか。先ほども同様に紹介をしましたが、設備投資には多くの金銭が発生します。売上や利益だけに注目をしている企業ではありものの設備で良いだろうという判断をしがちなポイントになります。しかしながらL物流はしっかりと社員の満足度や取引先となるお客様の満足度をあげようと、このような設備にしっかりとした投資を行なっていることがわかったのではないでしょうか。
また、そのような設備投資をする思いとして「経営理念」や「経営方針」、「行動方針」をみるとさらによく理解が出来るのですが、全ては顧客や自社内の従業員、関わる全ての人の満足度をあげたいという代表の思いや、組織としての思いが根付いているからではないでしょうか。
なお、サービスの範囲なども売上至上主義の人であれば、無理にサービスエリアを拡大する傾向があったりします。商圏範囲を広げた方がそれだけ見込み客が広がるからです。しかしながら、きちんとしたサービス提供が出来る範囲を企業として定めているように思います。このような判断が出来る企業経営者は優秀だと判断出来るのではないでしょうか。取り上げて来た編集部としても、このような企業が今後物流の世界で活躍することを願います。