麦島善光氏と土砂災害についての調査

麦島善光氏は日本の実業家として知られています。あまり耳にしたことがないかもしれませんが、建設の実業家としては非常に優秀であり、経営者としてまた実業家として日本に優秀な実績を構築してきたことは間違いありません。

しかし最近では、2021年に発生した熱海の土石流災害と麦島氏と関係しているのではないかという声がインターネットを中心として挙がってきていました。そのためjobnoba編集部では麦島善光氏自体のこと。そして熱海の土石流災害との関係について調査を進めてまいりましたので、その点について記事でご紹介をしたいと思います。

麦島善光氏はどのような実績を持つのか

麦島善光氏は日本の実業家として有名ですが、その生まれは1958年です。既に80歳を過ぎている方となりますが、実業家としての誕生は非常に早く22歳で建設会社を設立しています。またその後も企業を複数設立し、最終的には9つの企業を束ねるホールディングスを設立するなど、経営者として優秀な手腕をふるったことは想像するに容易いのではないでしょうか。

また、学校法人理事長としての側面もあわせ持っており、長野県で学校法人を設立し理事長にも就任しています。学校運営としても8つほどの法人を運営し、教育にも特に力を入れていたことが見て取れます。

経営者に多いことなのですが、優秀な人材を育成するためには早期教育からの着手が良いという思考を持っており、早い段階から日本の教育水準、つまりはビジネス水準を上げていこうと躍起になった人ではないでしょうか。推測になってしまいますが、このように日本をよくしたい、さらに良い人材を育てたいという強い思いを持っていたのではないかとjobnoba編集部は捉えています。

熱海の土砂災害について

2021年7月3日に熱海市の伊豆山地区にある逢初川で大規模な土石流災害が発生しました。災害の発生源は盛り土で、大量の土砂が流れ出たことが原因と言われています。そのため、土地の所有者であった麦島善光氏の名前が挙がっていました。この土地の所有者である、麦島善光氏がインターネットメディアなどで話題になったことを知っている方もいるかもしれません。

しかし、インターネットメディアが報じる通り、そこに麦島氏の関係性はあったのでしょうか。jobnoba編集部では、インターネットを中心に麦島善光氏と熱海の土石流災害との関係について調査をした結果についてご紹介していきます。

そもそも盛り土を行ったのは誰なのか

今回の熱海の土砂災害については「そもそも誰が盛り土を担当したのか」というのが大きな焦点になるのではないでしょうか。今回の盛り土の経緯についてjobnoba編集部では簡単にまとめました。

【平成21年3月 造成始まる】
土石流の起点にあった盛り土は、神奈川県小田原市の不動産会社が平成19年に静岡県の熱海市に造成を届け出て2年後の平成21年3月に谷を埋める形で造成が始まっています。熱海市の現場では計画を超える大量の土砂が運ばれ続け、盛り土は届け出の高さ15メートルを大幅に超えるおよそ50メートル、土砂の量は今回崩壊しなかった分も含めて県の推計で届け出の2倍にあたる7万立方メートルを超える量になったと見られています。

この時点でなぜ行政が適切な対応を取れなかったのか。その点については大きな疑問となります。また、他にも受理された計画書には雨水排水用の地中排水設備や砂防ダムの設置など対策が記載されていましたが、県の調査では排水設備の痕跡や対策の記録が確認できず、盛り土に適切な排水設備がなかった可能性も指摘されています。

このように、そもそも神奈川県小田原市の不動産会社が行った盛り土の対策自体が非常に粗悪なものだった可能性があります。

【平成23年 市が危険性を認識】
その後平成23年、土地の権利が不動産会社からいまの所有者に移ったあとも市は危険性を認識し、県と対応を相談したうえで不動産会社側に安全対策を実施するよう命じる文書を作成したものの発出を見送っていました。市は、発出を見送った経緯について、それまで安全対策工事の要請に応じていなかった会社側が工事を一部進めるなどしたことで盛り土の地盤の安定化が図られたなどとして、「一定の安全性が担保されたと判断した」と説明しましたが、その後、工事は中止されたままとなっていました。

これでは現所有者が情報を共有されず、また行政として安定化が図られたと捉えていたのでは改善のしようがありません。この点については大きな行政の判断ミスがあったのではないかとjobnoba編集部では捉えています。

直近では、遺族や被災者らでつくられた被害者の会が、静岡県と熱海市に対し、損害賠償を求めて提訴する方針を明らかにしています。また、斉藤栄市長に対しては業務上過失致死があったとして熱海警察署に告訴・告発状を提出しています。

【検証委員会の信憑性】
「98年「今後規制」方針、検証委で説明なし 逢初川の砂防規制放置【熱海土石流】」というタイトルで「あなたの静岡新聞」が第三者委員会の独立性に疑問を投げかける記事を公開しています。一部引用して記載します。

一部の報道で「第三者委員会」と呼ばれていた県行政対応検証委員会には、県議会から独立性や公平性を疑問視する声が上がっている。熱海市選出の唯一の県議、藤曲敬宏氏(自民改革会議)は、盛り土周辺の開発との関係や砂防法の検証が不十分だったのではないかと指摘している。
県は検証委の報告を全面的に受け入れるとしながら「法的な瑕疵(かし)や不作為はなかった」と巧妙に責任回避を図っている。関係者によると、検証委は県職員OBが事務局員を務め、県の担当部署と頻繁にやりとりしていたという。
藤曲氏は、検証委の議事録を踏まえ「ほとんど事務局員(県職員OB)が話をしている。委員が主体と言うより、事務局の論点整理を追認している」と事務局主導の議論だったと問題視する。他の県議からも「第三者委員会と言いながら、第三者性はない」と批判の声が上がっている。

引用:あなたの静岡新聞

議論すべき内容、検証すべき内容が俎上にのっているかをこまめにチェックして疑問を投げかけていくことも必要なのかもしれません。

麦島善光氏は盛り土が行われたあとに土地を購入

土地の所有権はこの盛り土が行われた後に行われます。前所有者が資金不足により土地が差し押さえられ、その直後の2011年2月に麦島善光氏個人が土地を購入しています。麦島善光氏が土地を購入したのは土地開発終了後となっていたのです。

土砂災害につながった理由は、盛り土に数年かけて大量の水が溜まり、地盤が滑りやすい状態であったからとされています。災害発生前後の現地降水量は観測史上最大を記録しており、この大雨が土砂崩れの引き金となりました。つまり、計画上では記されていた排水設備が適切に設置されていなかったことが、問題点の1つとして挙げられるでしょう。

法律上所有する土地で問題が発生した事故はその所有者が負わなければならないため、今回麦島善光氏の名前が取り上げられています。一方、売買対象不動産に問題があった場合は、契約不適合責任(旧名称:瑕疵担保責任)の観点で買い主からの契約解除の申し立てや損害賠償請求などが可能という法律があります。

元々の原因が前所有者にあっても麦島善光氏が責任をとらないといけないのか、裁判の判決次第で決まるのではないでしょうか。